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ナイキ・エアジョーダン(NIKE AIR JORDAN)の歴史
特定の人物の名を冠して作られるシグネチャーシリーズのスニーカー。バスケットボール選手やテニス選手のモデルとして様々なブランドから展開されるシグネチャーコレクションのなかでも、スポーツシューズ史上最も有名なのがこの「エア・ジョーダン(Air Jordan)」。
生きる伝説といって過言ではないバスケットボールプレイヤー”マイケル・ジョーダン”の名を冠し、ジョーダンの活躍とともに唯一無二の存在、そしてスニーカーにおいても伝説的な存在となったエアジョーダンは、1985年の登場以来、ほぼ毎年のようにアップデートされ、スニーカーフリークたちの心を掴んで止みません。
そんなエアジョーダンシリーズの全モデルとともに、その歴史について振り返りましょう。
ナイキ・エアジョーダン(NIKE AIR JORDAN)とは?
スニーカーの地位向上に大きく貢献した代表的シグネチャーコレクションと言って過言ではないナイキ(NIKE)のエア・ジョーダンシリーズ。初めてリリースされたのは1985年、スポーツシューズ業界において初めての本格的なシグニチャーモデルと言われており、シューズだけでなく、アパレルコレクションや、マーケティングプローモーションをここまで組み合わせたものはかつて存在しませんでした。
エアジョーダンシリーズはシグネチャー主であるマイケル・ジョーダン(Michael Jodan)の活躍と共に、その知名度や人気を世界中に広げ、バルセロナ五輪のドリームチームとしてエアジョーダン7の特別色を着用した頃には、エア・ジョーダンの名前もスニーカーマニアだけでなく世界中に知れ渡るほどとなっていました。
ここ日本では、比較的早い段階からスポーツシューズであるスニーカーがライフスタイルに根付きましたが、その他のアジア諸国ではなかなかスポーツシューズを日常的な普段履きとして使用するという文化が根付きにくかった中で、エア・ジョーダンはその突破口となってスニーカーの地位向上に大きく貢献したのです。
そんな、エアジョーダンは執筆時点(2015年時点)で、合計29種類が登場しており、ナンバーズと呼ばれる1〜29のモデルには、マイケルジョーダンの背番号である23までの数字がつけられたナンバリングモデル以外にも、西暦がモデル名に加えられた2009〜2011、さらにその後のXXシリーズがあります。
しかし、それ以外にもデザイナーズモデルや特別モデルなど非常に多くの種類が存在しています。
ここでは、俗にナンバーズと言われるジョーダンシリーズを1から順に解説しつつ、エアジョーダンシリーズの歴史を振り返りながら、そのスニーカーの持つ面白さを紹介していきます。
歴代エアジョーダンシリーズ全モデル一覧表
【1985年】エアジョーダン1(Air Jordan Ⅰ)【1作目】
ランニングシューズのブランドとして名を馳せていたナイキ(NIKE)は、バスケットボールシューズ業界への本格的な参入を目論んでおり、そこで白羽の矢がたったのがマイケル・ジョーダンでした。
1980年代にNBAでプレーを始め、まだ新人だったジョーダンとの契約において破格とも言える「年間50万ドル(約5000万円)」というオファーを提示、そのかわり「新人王獲得・オールスター出場・1試合平均20得点」のいずれかを3年以内に達成することが条件であり、ジョーダンはそれに合意。
これによって1985年に誕生したエアジョーダン1ですが、ブラックとレッドを大胆に配色した斬新なデザインであり、当時はNBAのユニフォーム規定に反していたため、試合でこのシューズを履くたびに50万円の罰金を支払うことになりました。
しかし、これを逆手に取ったナイキ(NIKE)は罰金の肩代わりをし「NBAはエアジョーダンを禁止にしたが、君たちが履くことを禁止には出来ない」というプロモーションを行ったという、まさに伝説の始まりにふさわしいドラマを持った第1作目です。
【1987年】エアジョーダン2(Air Jordan ⅠⅠ)【2作目】
1986年の秋頃にベールを脱ぎ1987年に登場したエアジョーダン2。ファーストモデルに引き続きピーター・ムーア氏と、エアフォース1をデザインしたことで有名なブルース・キルゴア氏に加え、イタリア人デザイナーのジョルジオ・フランシスがデザインを手がけ、製靴技術に定評のあるイタリア製で作られたセカンドモデル。
リリース当時は「ジョルジオ・アルマーニのデザインでは?」というデマが流れたことも有名であり、このモデルからナイキのアイコンとも言えるスウッシュが消え、エアジョーダン専用のロゴが配置されるようになりました。
ミッドソールには弾性に優れたポリウレタンを使用し、大幅なクッション性の向上に成功。ジョーダンの跳躍をサポートしたモデルとして知られており、数あるジョーダンシリーズの中でも異彩を放つ傑作スニーカーです。
【1988年】エアジョーダン3(Air Jordan ⅠⅠⅠ)【3作目】
1988年に登場したエアジョーダン3の特徴は、エアマックスシリーズに代表される「ビジブルエア」と呼ばれるテクノロジー。ミッドソールの隙間からエアバッグが覗くハイテク感のあるこの技術は、エアバッグの大容量化にくわ言えて最新技術の視認化にスニーカー史上初めて成功したテクノロジーとして知られています。
今では「セメント柄・エレファント柄」と呼ばれる、エアジョーダンシリーズの顔ともいえる型押しパターンが初めて使われ、エアジョーダンのアイコンともなった「ジャンプマンロゴ」もエアジョーダン3から登場。
このモデルを使用したマイケルジョーダンは目まぐるしい活躍を見せ、NBAのスラムダンクコンテストでは2度目の優勝を飾ります
ハイカットとローカットで展開されたファーストモデルとセカンドモデルのエアジョーダンでしたが、このモデルは3/4カットが採用され、このカットは10作目まで続きます。
【1989年】エアジョーダン4(Air Jordan ⅠV)【4作目】
1989年の登場からすぐに全米市場で大ヒットを記録し、エアジョーダンの名前をアメリカ中に轟かせた伝説的1足といえるエアジョーダン4。
前作が思ったよりもセールス面で伸び悩んだため、背水の陣で挑んだ第4作目は、アッパーサイドのメッシュや、TPU素材のサポートストラップなど、非常に斬新なディテールを集結し、エアジョーダンの人気を再び上昇させた名作です。
シュータンに「Flight」のロゴがあるように、若干人気が下降気味だったジョーダンシリーズはバスケットボールコレクションのサブカテゴリーであるフライトコレクションへの編入も計画されていたようですが、エアジョーダン4の大ヒットによって立ち消え、バスケットボール市場における確固たるポジションを築くまでになりました。
【1990年】エアジョーダン5(Air Jordan V)【5作目】
エアジョーダン4の大ヒットによって、今まで以上に注目の集まったエアジョーダン5。満を持して1990年の2月頃に登場し、その素晴らしい出来栄えはジョーダンファンやスニーカーフリークたちの予想をはるかに超越し、その結果激しい争奪戦がアメリカ中で繰り広げました。
クリアメッシュパネルやクリアソールといった斬新なデザイン、ビジブルエアやプラスチックパーツ、さらには刺繍といったディテールも素晴らしく、あらゆる面で他のバスケットボールシューズを圧倒しています。
学校をサボってスニーカーの販売店に並ぶのは当たり前、中にはエアジョーダン5を巡って殺人事件まで起きてしまうというほどの人気を誇り、エアジョーダン5の登場によってシリーズの人気は一層加速していきました。
日本ではバスケットボールの人気漫画「スラムダンク」にて流川楓が劇中で使用したバッシュとしても有名です。
【1991年】エアジョーダン6(Air Jordan VI)【6作目】
エアジョーダン5の成功によって、ナイキにおけるエアジョーダンシリーズの重要性がより明確となった1991年の2月、第6作目として登場したこのエアジョーダン6は、20年以上前にに登場したと思えないほどの古さを感じさせないデザインで、今でも高い人気を誇ります。
ジョーダンがNBAを初制覇を成し遂げた時に使用していたのがこのモデルであり、ジョーダンからは「素足感覚で履ける性能」が求められ、積極的に制作に参加したモデルということでも知られています。
エアジョーダン6は、アンクル部分のプラスチック素材、シュータンに使われているゴム素材、そして一枚仕立てで作られているトゥ部分など斬新かつハイテク感の強いディテールを持ち、エアジョーダンシリーズはナイキのなかでも無視できない規模へと成長していたため多色展開が進んだモデルとしても有名です。
また、日本ではバスケットボールの人気漫画「スラムダンク」にて主人公の桜木花道が劇中で使用したバッシュとしても有名です。、
【1992年】エアジョーダン7(Air Jordan VII)【7作目】
1992年に登場したエアジョーダン7は、見た目におけるインパクトは6に劣りますが、ジョーダンの求めている「素足のようなフィット感」を高い次元で達成させており、ジョーダンがNBAの2連覇を達成した時に着用していたモデルとしても有名です。
同時期に今でもナイキの名作として高い人気を誇る「ハラチシリーズ」のハラチシステムを採用し、ネオプレン製のブーティによるフィット感の徹底追及が行われているのが特徴です。
また、エアジョーダン7には、バルセロナ五輪のバスケットボールアメリカ代表、通称ドリームチームの特別仕様がリリースされ、このチームでジョーダンの使用した背番号の9が入れられたモデルはどのカラーバリエーションよりも高い人気を誇りました。
【1993年】エアジョーダン8(Air Jordan VIII)【8作目】
ワーナーブラザーズの人気アニメであるバックスバニーとジョーダンの共演するマーケティングプロモーションが大きな話題となり、1993年に登場したのちジョーダンのNBA3連覇を支えたモデルとして有名なエアジョーダン8。
当時のナイキが持っている技術をこれでもかと詰め込んだインパクトの強い見た目となっており、アッパー中央に施されたクロスストラップはアウトドアバスケットボールシューズとして開発されたエアライドから、そしてハラチシステムやソールの形状はランニングシューズからインスパイアされたものが採用されています。
激しいう左右の動きにもしっかりと対応する、高いサポート性を持ったディテールが数多くのバスケットボールプレイヤーから高く評価されましたが、ストリートでの人気は多少伸び悩んだ感があります。
【1993年】エアジョーダン9(Air Jordan IX)【9作目】
1993年の10月、同年7月に父親の死という悲劇に直面したマイケルジョーダンがNBAからの引退を発表し、同年にリリースされためマイケル・ジョーダンが着用することのなかった悲運のエアジョーダンとして知られるエアジョーダン9。
しかし、ジョーダンが2Aのバービンガム・バロンズでプレーをスタートし、メジャーリーグベースボールに挑戦した際は、エアジョーダン9をベースにスパイクが制作され、ジョーダンのプレーを支えました。
クロスベルトをフューチャーした前作のエアジョーダン8と比べるとかなりすっきりした作りとなっていますが、シューレースホールがフック式になっているなど細かな進化を遂げており、シューズのソール底面には日本語で「世界スポーツ」と書かれているなど、ユーモアのある作りが特徴です。
【1994年】エアジョーダン10(Air Jordan X)【10作目】
1995年の3月にマイケル・ジョーダンがNBAへの電撃復帰。そのタイミングとなる1994年にリリースされたエアジョーダン10は、エアジョーダン9のようなシンプルなデザインを継承しつつ、アウトソールにはマイケルジョーダンが達成した偉大なる記録が記載された、第10作目にふさわしい記念すべきモデルです。
アウトソールに刻まれた記録の中には、1986年のプレイオフに行われた対セルティックス戦の1試合63点という偉業も刻まれています。
そんなエアジョーダン10はジョーダンの復帰をサポートしたシューズとしても有名ですが、都市限定モデルというシリーズもストリートでは多くの支持を獲得。日本では正規展開がありませんでしたが、シカゴ、シアトル、ニューヨークといった年限定モデルが展開され、特に45のナンバーがついたシカゴモデルは高い人気を誇りました。
【1995年】エアジョーダン11(Air Jordan XI)【11作目】
1995年の5月7日、オーランドマジックとのプレイオフで突如姿を現し、バスケットボールファンのみならず、スニーカーフリークたちからも多くの注目を集めたエアジョーダン11。
プレイオフの時期に新作のモデルが登場するのは異例中の異例であり、エアジョーダンシリーズでも珍しくハイカットのモデルとローカットのモデルで全く異なるデザインを採用しているのも特徴です。
ハイカットモデルのエアジョーダン11は、バスケットボールシューズ史上初めてエナメルとナイロンを使用する先進的なデザインで、爆発的なヒットを飛ばして売り切れが続出しました。このデザインは、ジョーダンがフォーマルな雰囲気のデザインを希望した為と言われており、日本のスニーカーブームをエアマックスとともに牽引した名作として知られています。
ジョーダン復帰の年である1994シーズンはプレイオフで敗退しましたが、その後1995年からブルズのNBA3連覇を果すことになった最初のシーズンで使われたシューズとして有名です。
このモデルをそのままローカットタイプにしたスニーカーも登場しており、人気を得ています。
ハイカットモデルは光沢のあるパテントレザーの補強パーツが印象的な先進的デザインでしたが、ローカットモデルのエアジョーダン11として販売されたこのモデルは、メッシュを多用した通気性重視のスペックが特徴です。
ハイカットモデルのエアジョーダン11よりもリリース日がやや遅く、スニーカーフリークやエアジョーダンコレクター達は思わぬ出費に頭を抱えた、なんて話もあります。
【1996年】エアジョーダン12(Air Jordan XII)【12作目】
エアジョーダン9から引き続き、シンプルなデザインを継承しつつ生み出されたエアジョーダン12。エアジョーダン11はストリートでも爆発的な人気を誇りましたが、今作のエアジョーダン12はあまり人気が出ませんでした。
ジョン・ストックトンやカール・マローンといった有名選手の在籍するユタ・ジャズを4勝2敗で破り、NBAの2連覇を達成した1996 年のシーズンにマイケル・ジョーダンの足元を飾ったシューズであり、アウトドアシューズを思わせるようなシューレースフックと、つま先から大胆に配置されたサポートパーツが印象的。
機能性、耐久性がともに高く、主にプレーヤーから支持されたモデルです。
【1997年】エアジョーダン13(Air Jordan XIII)【13作目】
黒豹をモチーフにしたデザインと、足首部分のホログラムパーツが絶妙なデザインアクセントとなり、ラグジュアリーな印象に身を包んで1997年に登場したエアジョーダン13。
動物の足裏の肉球を思わせるようなアウトソールのデザインに、前足部分には屈曲性を高めるためのフレックスグルーブと縦の十字溝など、機能性を徹底的に追及した作りになっていますが、ミッドソールを人工スエードで包み込んだり、マイケルジョーダンの肖像が浮かび上がるホログラムなど凝ったデザインなのも人気を得た理由です。
ズームエアやカーボンシャンクなどのエアジョーダン11から継承される機能とともに、マイケル・ジョーダンはこのシューズを使用して2度目の3連覇を達成。その後マイケル・ジョーダンは2度目のNBA引退をすることなります。
【1998年】エアジョーダン14(Air Jordan XIV)【14作目】
マイケル・ジョーダンの2度目のスリーピートとなった1997−1998シーズン。エアジョーダン13を履いて臨み、見事3連覇を達成し、そしてNBAの引退となったため、エアジョーダン13が現役最後のモデルと思われるかもしれませんが、実は3連覇を達成したNBAファイナルの第6戦だけは別のシューズを履いていました。
その時に履いていたのが第14作目となるエアジョーダン14。1998年に登場したこのモデルは、一見するとローテク感のあるデザインになっていますが、土踏まずのエアーホールや、ミッドソールを上部に巻き上げる技術など、最新技術が詰め込まれたハイテクモデルです。
エアジョーダン14は、マイケル・ジョーダンの愛車である「フェラーリ550」をサンプリングして作られており、歴代エアジョーダンのなかでも流麗で美しさの際立つデザインに仕上げられた1足です。
【1999年】エアジョーダン15(Air Jordan XV)【15作目】
マイケル・ジョーダンがNBA引退を発表した後の1999年、アメリカの超高速爆撃機「X-15」をモデルに起用したエアジョーダン15は、あまりに斬新すぎるデザインだったことや、当時人気を得ていたプラダスポーツのシューズコレクションに似ているといったことから、ネガティブな評価も多かったモデルです。
そんな、スニーカーフリークやジョーダンファンの間で激しい賛否両論の議論を巻き起こしたエアジョーダン15ですが、最近では大胆な履き口のデザインなどを再評価する動きもあります。
アッパーの折り目部分に施されている柄は、マイケル・ジョーダンがよく履いていたイタリア製シューズの柄がモチーフとなっています。
【2001年】エアジョーダン16(Air Jordan XVI)【16作目】
マイケル・ジョーダンがNBAを引退したことで、コート内での使用よりもむしろストリートシーンでの着用をかなり意識して開発されたことが推測されるエアジョーダン16。2代目ジョーダンモデルデザイナーのウィルソン・スミスの処女作であり、シュラウドと呼ばれる脱着可能なシューレースカバーが印象的。
強いインパクトを持ったアッパーのシューレースカバーは強力なマグネットを使用することで簡単に脱着可能、アッパーのマテリアルにはブラックのシュリンクレザーやイエローヌバックといった洗練された素材が使用されています。
また、この時期オーナーを務めていたワシントン・ウィザーズの低迷を機に、2度目のNBA復帰を決意。このエアジョーダン16のウィートモデルを着用して復帰を飾りました。
【2002年】エアジョーダン17(Air Jordan XVII)【17作目】
2002年にメタル製のアタッシュケースを付属してリリースされ、「シンプルでエレガントかつ機能性にも優れているシューズ」というコンセプトでデザインされたエアジョーダン17。
現役引退後にワシントン・ウィザーズのオーナーの1人となったマイケル・ジョーダンが、チームの低迷をうけて現役復帰し、その時のプレーを支えることになったのがこのエアジョーダン17です。
前作、前々作とデコラティブなデザインのエアジョーダンが生み出されていたため、往年のジョーダンファンからはネガティブな評価をされていましたが、エアジョーダン17はジョーダンの復帰と合わさってCD-ROMが付属するなど、プロモーションにも大きく力を入れており、上質なレザーから生み出される高級感やエアジョーダン5を思わせるようなサイドシルエットによって高い評価を獲得しました。
【2003年】エアジョーダン18(Air Jordan XVIII)【18作目】
マイケル・ジョーダン自身がコートで着用した最後のエアジョーダンとして知られているエアジョーダン18。
マイケル・ジョーダンの愛車である「ランボルギーニのムルシエラゴ」をデザインソースに、アッパーには1枚仕立てのフルグレインレザーを使用し、エアジョーダンシリーズを象徴するシューレースカバーをドレッシーな印象のアッパーとミックスした高級感の強いデザインが特徴です。
機能面においては、ダブルスタックのズームエアや、足のねじれを防ぐためのカーボン・コンフォート・コントロールプレートなど、40歳を迎えるマイケル・ジョーダンのために膝の負担を軽減しつつ、激しいプレーにおいても快適な履き心地をキープできる点がシリアスプレーヤーやスニーカーフリークに注目されました。
【2004年】エアジョーダン19(Air Jordan XIX)【19作目】
マイケル・ジョーダンが3度目の引退をしたことで、実際にジョーダン自身が履くことのなかったエアジョーダン19。しかしジョーダンブランドに所属しているプレイヤーたちに引き継がれて、コートの中では頻繁に見かけたモデルです。
アフリカに生息する毒蛇のブラックマンバにインスピレーションをうけてデザインされており、プラスチック製のシューレースカバーが搭載されたモデルと、シューレースカバーを採用していない「SE」というモデルの2種類に分かれています。
ストリートで人気を博したエアジョーダン19。プラスチック製のシューレースカバーがデザイン面でのアクセントとなり、数あるジョーダンシリーズのなかでも、かなりインパクトの強いスニーカーとなっています。
2004年のアテネ五輪に出場したカーメロ・アンソニーの着用モデルとして知られているエアジョーダン19SEのオリンピックモデルを筆頭に、シリアスプレーヤーたちから高く評価されていたのはシューレースカバーのないこちらのモデルです。
【2005年】エアジョーダン20(Air Jordan XX)【20作目】
2005年に登場した記念すべきエアジョーダンの20作目。エアフォース1の限定モデルにも採用されたことで大きな話題を呼んだレーザーによる彫刻技術「レーザーエッチング」で、アッパーのベルクロにマイケル・ジョーダンの歴史を刻むなど随所にこだわりのディテールを盛り込んだエアジョーダン20。
ローカットシューズにアンクルストラップが浮かんでいるような奇抜なデザインを生み出したのはティンカー・ハットフィールド氏。見た目のインパクトだけでなく、インディペンデントポッドサスペンションによる高いグリップ性とクッショニング性能や、独特のフィット感など機能性に長けているのも特徴です。
まさに、成熟しきったと思われたエアジョーダンシリーズを、さらに1歩進化させたといって過言ではない歴史的なモデルです。
【2006年】エアジョーダン21(Air Jordan XXI)【21作目】
シグニチャー主のマイケル・ジョーダンが引退してもなお、ナイキの最新テクノロジーを集結させてバスケットボールシューズとしての進化を止めることのないエアジョーダンシリーズ。2006年に登場した21作目は、2種類のインソールを取り替えることでナイキエアとズームエアを使用者の好みに合わせて選べる画期的モデル。
地面の感覚や反発性の高さを求めるプレーヤーはズームエアを、衝撃吸収性の高さを求めるならナイキエアを使用できるという仕組みになっており、1足のバスケットボールシューズで2種類のクッショニングタイプを選択することができます。
エアジョーダン13を思わせるシルエットと、高機能バスケットボールシューズとしての正統進化を遂げたエアジョーダン21は、まさにエアジョーダンの21作目に相応しい温故知新のアプローチが特徴です。
【2007年】エアジョーダン22(Air Jordan XXII)【22作目】
エアジョーダン15の時に超高速爆撃機であるX-15をデザインソースにしたように、エアジョーダン22もまた米軍の最新式戦闘機であるFA-22ラプターからインスピレーションをうけてデザインされており、エッジの効いたシャープなシルエットが特徴です。
インソールを切り替えることでナイキエアとズームエアを使い分けられるエアジョーダン21の機能を継承し、クリアウィンドウからどちらのクッショニングシステムを使用しているか簡単に確認できるよう進化しています。
シューズの後方にはメッシュ素材を使用しており、非常に高い通気性を持っています。
【2008年】エアジョーダン23(Air Jordan XXIII)【23作目】
マイケル・ジョーダンの背番号である23を冠する記念すべき23作目のエアジョーダン23。ナンバーで呼ばれるエアジョーダンは1〜23までのことを指し、ここから先は西暦をモデル目につけたシリーズへと受け継がれていきます。
ナンバーで呼ばれるエアジョーダンの最終モデルであるエアジョーダン23は、アッパーのステッチワークと、革靴などに施されるメダリオン(穴飾り)が印象的な高級感の強いデザインであり、シュータンの裏やアウトソールはマイケル・ジョーダンの指紋をモチーフにしたデザインが採用されています。
今までのジョーダンシリーズはバスケットボールシューズとしての機能性を強めたテクノロジーを中心にアプローチされていましたが、記念すべき23作目はマイケル・ジョーダンという人間の持つ人間性に着眼したデザインと言えるでしょう。
【2009年】エアジョーダン2009(Air Jordan 2009)【24作目】
マイケルジョーダンの背番号であるエアジョーダン23が登場した時、多くのスニーカーファンは「ジョーダンも引退しているし23まで出たんだから、もうエアジョーダンは出ない」と肩を落としていました。
そんな中、これまでとは違ったネーミング方式を使用し、満を持してスニーカーフリークたちの前にらわれた24作目のエアジョーダンは「エアジョーダン2009」と呼ばれる名前であり、近未来的なデザインに身を包んでリリースされました。
エアジョーダン2009には、義足のランナーが使用するカーボンファイバー技術に着目し、アーティキュレイテッド・プロパルジョン・テクノロジーと呼ばれる爆発的に強い推進力を発揮させるテクノロジーを搭載。まさにエアジョーダンシリーズの新たな歴史を感じさせる名作として今なお語り継がれています。
【2010年】エアジョーダン2010(Air Jordan 2010)【25作目】
アッパーサイドにインパクトのある「TPUウィンドウ」と呼ばれれる窓を設置した斬新なデザインに身を包んで登場したエアジョーダン2010は、エアジョーダンシリーズでおなじみのディンかーハットフィールド氏のデザイン。
インサイドとアウトサイドのカットの高さを変えたアシンメタリカルカラーに、革靴のプレーントゥを彷彿とさせる気品の漂うディテール、そしてフルレングスズームエアとヒールズームエアを重ね合わせて異次元の衝撃吸収性を兼ね備えた「スタックヒールズームエア」と呼ばれるテクノロジーを採用した意欲的な逸品です。
また、エアジョーダン2010がアメリカ本国で発表された際には、コンバースからジョーダンブランドへと電撃移籍を果たしたマイアミヒートのドウェイン・ウェイドとマイケル・ジョーダンの2ショットで話題となりました。
【2011年】エアジョーダン2011(Air Jordan 2011)【26作目】
リンテル・テック・グラフィックと呼ばれるシワ加工を施したアッパーが印象的なエアジョーダン2011。エアによるクッショニングやシャンクプレートのによるサポートパーツを、プレイヤーの好みに合わせてカスタマイズできるインチャー・チェンジャブル・コンセプトが採用されるなど、まさにエアジョーダンらしいアプローチで生み出されたモデルです。
ブラックをメインカラーとしており、シュータンとヒールに落とし込まれたジャンプマンから生まれる機能美あふれるシンプルなデザインは、エアジョーダン10からエアジョーダン14までの頃を彷彿とさせるエレガントさを持っており、昨今のエアジョーダンシリーズに慣れ親しんだ人から、当時を懐かしむフリークまで幅広い層から支持されました。
【2012年】エアジョーダン2012(Air Jordan 2012) 【27作目】
まるでイタリア製の革靴を彷彿させるような、ウィングチップとメダリオンの雰囲気を併せ持ったエレガントなデザインに身を包んで登場したエアジョーダン2013。今までのエアジョーダンシリーズの中でも異色とも言える、コンサバティブなデザインでありながらもスニーカーとしては非常にコンテンポラリーな逸品。
シュータンには通気性に優れたメッシュ素材を使用し、アッパーにはフライワイヤーテクノロジーを採用することで軽量性とホールド性を高い次元で両立。さらにエアジョーダン21の頃から継承されているインソール交換によるクッショニングカスタマイズを進化させた3種類のタイプから自由に選択が可能。
デザインのために施されることの多いメダリオンも、パンチング加工によって表現することで、通気性をも確保するという、ジョーダンシリーズらしい「デザインと機能性」という機能美を具現化したモデルです。
【2013年】エアジョーダン28(Air Jordan XX8)【28作目】
2013年、エアジョーダン15が登場した時のようなセンセーショナルなデザインを装い、そして前作までモデル名に西暦を使用していたところから今度は「XX(20)」といったシリーズへと名前を変えて登場したエアジョーダンXX8。
エアジョーダン16から継承されたシュラウドと呼ばれる保護バーツを使用し、「ステルス」をコンセプトに掲げたこのモデルは、ナイキの誇るシューズデザイナーであるティンカー・ハットフィールド氏とジョシュ・ハード氏が約2年にわたる制作期間を経て世に送り出した圧倒的なデザイン性を完備した代物です。
【2014年】エアジョーダン29(Air Jordan XX9)【29作目】
史上最軽量のエアジョーダンというキャッチコピーで2014年に登場したエアジョーダンXX9。29作目となるこのモデル最大の特徴は、パフォーマンスウーブンアッパーと呼ばれる革新的な1枚仕立てのアッパー素材と、フライトウェブと呼ばれる蜘蛛の巣状に足を包み込むシューレースと一体化した構造。
これにより、まるで「靴下に靴底が付いている」ような履き心地を生み出しており、フィット性能だけでなく圧倒的な軽量性も獲得した、ナイキの最新テクノロジーを惜しみなく搭載したモデルになっています。
今までのバスケットボールシューズが、ヒールカウンターやベルトストラップを付け足して勝ち取った機能を「たった一枚の織り布」によって実現する、そんな実験的で挑戦的ないかにもエアジョーダンらしい逸品です。